2011年8月13日土曜日

修学旅行は被災地へ

-修学旅行は被災地に~修猷館高校 来年1月宮城訪問-

福岡県立修猷館高校(福岡市早良区)は来年1月に2年生を対象に行う研修旅行で、東日本大震災の被災地・宮城県を訪れることを決めた。
当初は他地域を予定していたが、「被災地で何かを学び取ってほしい」と変更。一部の保護者から安全確保の面で反対意見が出たため、被災地以外を含む3コースから自由に選ぶ形で実施する。
東北の関係者からは「遠く九州から、あえて被災地訪問を決断して下さったことに感謝と敬意でいっぱい」と歓迎する声が上がっている。

修猷館の研修旅行はいわゆる修学旅行だが、単なる名所旧跡見学や観光ではなく、企業訪問など体験型学習を主体にしているという。
3月11日の大震災発生で「将来の日本を背負う若者は、現地を直接見るべきではないか」と考え、職員が6月上旬、宮城県を視察して受け入れ態勢を確認、訪問先を変更することにした。
ところが、保護者向けの説明会を開いたところ、「余震が心配だから子どもを参加させたくない」など反対意見が相次いだ。学校側は複数のコースから選択可能な形に変更。「旅行は保護者、生徒に任せる」ことで対応した。
参加者は宮城県蔵王町に宿泊、
①スキー研修 ②スキー研修と被災地見学・活動 ③平泉世界遺産訪問と被災地見学・活動 のいずれかを選ぶ。被災地では、被災者の体験談を聞いたり、児童を相手にボランティアに取り組んだりする方向で検討中だ。
菊池有・統括教頭は「生徒の心を育てるのも私たちの仕事。被災地を実際に見て、日本の将来を見据える人間になってほしい」と語る。
官民でつくる東北観光推進機構の長谷川博樹・国内事業部長は「現地は修学旅行のキャンセルが相次いでいる。修猷館が教育的見地に立って旅行先を宮城に変更されたと知り、涙が出そうなくらい心強く感じた。こういう時こそ教育の機会だという判断に、復興を目指す私たちは希望の光を見た思いだ」と話している。
(西日本新聞 8月13日配信)
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私の母校の話となり手前味噌で恐縮なのですが、この時期での宮城県への研修旅行先の決定は、古い先輩として非常に誇らしいニュースでした。
余震がまだまだ続いている現状で、親御さんたちのご心情も分からないではありませんが、ただ単に勉学を詰め込むだけが教育ではなく、被災地の現状をこの目で見て自分が為すべきこと、為したいことを体感して今後の勉強に生かす意思を持ったとき、底知れぬパワーが生まれ将来の展望が開ける可能性が高まります。どこの大学に行くかとか偏差値を上げることばかりに目を奪われずに、将来何をするのか、自分は会社、地域、国のために何をしたいのか、を考える機会として現地を目に焼き付けて欲しいと願っています。
また、そこで強い意志を持った生徒は一流大学の合格も含めてきっと事を為す将来の日本にとっての貴重な人材になりうると確信しています。

ここで新聞記事の中で研修旅行と修学旅行の文言について記事の書き方が混同されていますので、OBとして若干補足させて頂きますと、

●修猷館には「修学旅行」というイベントはありません。
福岡県内ではアメリカや中国などの海外や、信州へのスキー旅行などに修学旅行に行く高校が多いですが、修猷館のスタンスはそういうエンジョイ志向の旅行先には「将来立身出世して、自分の力で行け」というものであるため、福岡県下で唯一修学旅行のない高校です。

●「修学旅行」の代わりに「研修旅行」があります。
・・・一緒じゃん!?と言われそうですが、エンジョイ志向の旅行先には行かず、心身鍛錬を主眼に置いた企画を毎年考え、各学年で違う旅行先を企画して行く旅行です。

私の1学年先輩たちは霧島連山に鍛練登山、1学年後輩たちは香川・金毘羅山のあの石段の踏破と記憶しています。
そして、私の代の「研修旅行」の行き先は、まだ雪が残る3月の福井・永平寺に座禅修行でした。
起床午前3時半、起床後すぐに寺内の掃除を埃一つ落ちてないくらいにピカピカに磨き上げる、、、雲水(曹洞宗の修行僧のこと)たちから激しく’指導’され、ここは極楽浄土を説く地獄か?と辛い思いをしましたが、埃が落ちていない廊下でも磨き上げるということは自分の心身を鍛練すること・・・この教えは40歳を過ぎた今でも脳裏に残っている言葉であり、今は素晴らしい思い出です。

勉強して一流または超一流大学に入学したところで、見識や社会貢献の観念が欠如していたために塀の中でお過ごしの方もおられますし、自分の利益のみの追求に終始されている方も多く見受けられます。

一流大学に合格したところで、我田引水の瑣末な方がリーダーシップを取っていては日本の将来は明るくありません。
後輩の皆さんには是非現在の東北の惨状を目に焼き付けた上で、立身出世して日本の復興に力添えを頂きたいと願うとともに、本当の意味での人間形成を考える他の高校におかれても是非修学旅行先を被災地に選定してほしいと思います。

「こういう時こそ教育の機会」です。

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